過去2年分の「別冊」記事が復元できなかった。自動バックアップの設定をしていたつもりが、そうではなかった。 face book に投稿していた記事に加筆したものを再掲する。写真は同一とは限らない。
木を植える(1)-非難が少ない事例 「木を植えた男(人)」という創作話(Jean Giono. 1953. L’Homme qui plantait des arbres)は多くの人に好まれ、あたかも実話であるかのように持ち上げられました。日本では、「植える」に「サクラ」が加わると、さらに称賛されます。しかし、植えることには熱心でも、その後の「手入れ」は忘れがちです。天狗巣病にかかりやすいソメイヨシノを植え、放置した結果、付近の天然記念物や名木を危険にさらしている例が少なくありません。もちろん、心ある方々は、植えることより、手入れの方を優先させておられます。 私は40年近く森林・林業の研究に従事してきた関係で、木を植える(た)ことに関して意見を述べる機会が多くありました。納得していただけることもあれば、強く反発されることもありました。私自身が天然更新(自然の力で森林を再生させる方法)の担当だったこともあり、基本的に、植栽を避けていました。
幾つか気になる点を挙げると、ブナ科の果実が「堅果」とされていた。第1巻の感想で述べたとおり、巻頭の用語図解に合わせたのであろうが、現行の学術用語集とは異なっている。90頁の「堅果」はacornであり、nutではない。 オトギリソウ科のコケオトギリについて、「Flora of Japan 2a」(N.K.B.Robson, 2006)で、ヒメオトギリと同種で「Variant」とされたものが、旧版と同様に別種とされ、Robsonの見解については全く言及されていない。The Plant List では Flora of Japan 2a の見解が採用されているので、説明が欲しいところである。 フウロソウ科のヒメフウロについて、産地に広島県が加えられた他、「北海道と本州の各地で栽培品が逸出・帰化している」と明記されている。
本編の記述にあるように、ヒメフウロは「広島県植物誌」に記述が無く、2010年の「植物誌補遺」 のp.16に再発見されたことが書かれている。また、2007年の、「広島外来」には逸出の記号を付して登載されている。 ヒメフウロについて、最新の図鑑等を見ると、2001年のFlora of Japan 2b では、国内分布が本州(岐阜県、三重県、滋賀県)と四国(剣山)の森林と草地とされ、北半球の温帯に広く分布していることが記述されているが、2003年の「帰化植物」には記述が無い。 本編で、ヒメフウロとして載せていた写真は四国の剣山の林下で撮影したものであった。庭先に生育しているものに比べ、柔らかくて、紅葉していない。そこで、もう1ヶ所の自生地である伊吹山に行き、新たに撮影してきた。ここは、草原の路傍(石灰岩の陰)であり、葉がやや硬く、紅葉している。つまり、市街地に生育しているものとほぼ同じである。花の拡大では、雄しべが見えないものと目立つものがある。伊吹山には、イブキノエンドウのように、ヨーロッパ原産の植物が導入され、定着したものがあるの。ヒメフウロも同じ状態かも知れない。