バラ亜科の草本を追加

本編に、キンミズヒキ属、ヘビイチゴ属、シモツケソウ属、キジムシロ属を追加した。これらの種類は、これまで、関心がなかった種類なので詳しくは承知していない。キジムシロ属については、種数が多いので、検索表を作成する必要がありそうだが、情報不足で作成できなかった。いずれ、挑戦したい。県内での分布については、地質との関係を見るべきと思われる。

ササユリの報道記事、マンサク科を追加

このサイトの看板にササユリの花を使っているように、ササユリは私が最も好きな植物の一つである。先日、島根県境の天狗石山で行われた植物観察会でも期待していたのだが、1株も見当たらなかった。北広島町には各地に生育しているし、登山案内に書かれている程の植物なので、当然咲いていると思ったのだが。

最近、地元の新聞に「ササユリ盗掘」の記事が目立つので、Googleで調べてみた。
ササユリに関する、各地の新聞報道(本年度)
(1) 開花を伝える記事:静岡、長野、岐阜、石川、和歌山、奈良、兵庫、鳥取、島根、広島、高知の各県
(2) 保護・育成を伝える記事:静岡、長野、愛知、京都、滋賀、兵庫、広島、岡山、徳島
(3) 盗掘被害を伝える記事:愛知、三重、広島
保護育成に汗を流している方々の記事の方が多いのは幸い。その中で、「おおの自然観察の森」と「せら夢公園」の2個所の盗掘記事は目立つ。

あまりにも犯罪報道が多いと、模倣犯が増える可能性があるのではないか。手口を詳細に描くのは考え物である。

極めつけは、「市は、管理規則で動植物の捕獲と採取を禁じ、園の入り口などに立てた看板で注意している。ただ、違反した場合の罰則規定はない。」という記事。もし、あなたがササユリの球根を掘っている現場を見つけ、注意したら、「罰則はないと新聞に書いてありましたよ!」と言われかねない。

また、昨年には島根県の船通山での盗掘報道から、県が看板とロープの設置を速やかに行った。という事例がある。ここで、県民からの提案に「自然公園法で盗採採取が禁止されているササユリ」という表現があった。

上記のような表現は不適切ではないか。わが国の法律には窃盗罪というものがあり、「罰則」がある。そして、植物の所有権は土地の所有者に帰属している。したがって、市が所有する土地に生育しているササユリを無断で持ち去れば、「窃盗罪」が成立し、公務員である市職員は「告発する義務」がある。

畑に植えてある農産物はともかく、山地に「勝手に生えている植物は皆のもの」という考えもある。スカンジナビア諸国などの「自然享受権」を認める法律の下ではそうだ。この場合は「モラル」に訴える必要がある。しかし、日本は世界の多くの国々と同じく、土地の所有権が絶対的に優先している。

野生植物の場合、刑法の窃盗罪より罪がやや軽い「森林窃盗罪」が適用されるはず。
森林法 197条 森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
同 198条 森林窃盗が保安林の区域内において犯したものであるときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

国立公園や国定公園内では自然公園法の適用を受ける。この罰則は森林法より軽くなっている。これは、自然公園法による制限が「土地の所有者や管理者」に適用されるから。つまり、ササユリを掘り取った者が、その土地の所有者であっても罰せられるということであって、所有権のない者が掘り取れば窃盗罪。

新聞報道は、記事を読んだものが、「自分はしないぞ」と思うように書かなければならないのでは?

現地で植物を増殖する場合には、その地域の植物の種子や株を用いるのが大前提、でないと、遺伝子汚染という「取り返しのつかない自然破壊」になる。
例えば、島根県内のササユリは、葉身長と葉身幅の比の値が大きな奈良、和歌山、静岡県のものとは大きな遺伝的差異が認められたそうだ(春木・他.1998. 園芸学会雑誌 67:785-791)。

本編にマンサク科を追加した。
アテツマンサクをマンサクの変種として区別する根拠が良く分からない。地理的な住み分けがある(亜種の条件)けど、わずかな違い(品種)なので、中間の変種に落ち着くのか?

イシモチソウ、キケマン

本編にモウセンゴケ科とケシ科を追加した。

広島県には、モウセンゴケが普通にある。花崗岩の山では、林道の明るい法面などで、岩の表面が濡れているような場所に見られる。根生葉は小さく、細い花茎が他の植物の間に伸びているので、写真に撮りづらい。そこで、別々の場所で撮影した葉と花の写真を組み合わせた。

残念ながら、イシモチソウの写真は手もとになかった。昔、賀茂台地の扇状地上のアカマツ林の林床に一面に生えていたのを見たことがある。そのような場所はほとんど無くなったようであるが、今でも、イシモチソウは珍しくないそうだ。私が当たらないのは、暑い時期に、日当たりの良い里山を避けているせいだろう。

広島県のキケマン類は、たいていフウロケマンで、キケマンは少ないようだ。図鑑(原色図鑑中、野生植物Ⅱ)のフウロケマンは花数が少なく、印象が違う。広島県のものはミヤマキケマンの形が多い。これらは、新しい見解では同じとされている。

「広島県の山野草-春・初夏-」の67頁にあるキケマンの写真を見ても、葉が三出複葉か羽状複葉か良く分からない。「野生植物Ⅱ」のPL.121-3も同様。こういう点でも、標本の有り難さが分かる。同書のまえがきにも、「撮影した植物はあとの確証のために標本にして持ち帰り、…」と書いてある。専門家であっても、写真だけでは、同定が困難ということだ。

また、自宅の近くの水田の石垣に生育しているものを観察していると、4月に開花したものが結実して枯れ、5月の半ばになって、再び葉と花茎を伸ばしたものは全く異なる印象だった。つまり、はじめはミヤマキケマンの形、後でフウロケマンの形になった。来春、詳しく確かめる必要がある。

普通植物の分布

本編に、ツヅラフジ科からウマノスズクサ科までを追加した(5月8日)。タガラシのような普通植物の写真が無く、近所にも見当たらない。5月の定例植物観察会で備北山地に行った帰りに、国道をそれて田舎道を走っていたら、路傍の草地にヒメスイバが群生していた。珍しくもない風景だが、近所で見つからないのが不思議。
別の日には、耕作放棄された水田でウマノアシガタを見つけた。近くのあぜ道には見当たらず。この一枚の田だけに群生していた。このような普通種が「見つからない」理由が良く分からない。土壌の性質、恐らくpHだろう、除草剤とも思えない。

微細な環境が異なる生育場所(ハビタット)が小面積ずつ、多数散在していたのが、均一化されてしまったのかも知れない。生物多様性の減少には、そういう原因がある。珍しい植物は案外無くなっていない。変化が少ない場所だからだ。

ハスの写真は県外で撮影したものを使用した。私が通った中学校は、四方がハス田に取り囲まれていて、正門に通じる道だけが唯一の乾いた地面だった。現在では全くなくなって、市街地になっている。当然、タガラシなどは生えているはずもない。

ということで、いくつかの普通植物の写真を追加、変更した。写真なしを含め、累計で390種、6月中に500を目指す。