特集-Ⅵ 早生樹造林
モリシマアカシアに騙された話(2)早生樹といえるか
まず、モリシマアカシアが早成樹(早生樹)かどうか。
「森林・林業百科事典(丸善)」による早成樹種の定義は「成長の早い経済樹種で、通常、年平均成長量(MAI)が15~20t/ha」程度以上のもの」とされ、「我が国でも昭和30年代に改良ポプラ、コバノヤマハンノキ、ユーカリ類、モリシマアカシアなどの早成樹造林が行われたが、害虫による枯損などにより多くは満足な収穫を得ることができなかった」とも書かれている。
数値はうろ覚えだったので、昔の報告書を引っ張り出してみた。fig. 1 は材積の成長曲線、6~10年で頭打ちになっている。これを、年平均成長量で表すと fig. 2 になる、4~6年の最大値が 30t に近いので、条件は満たしている。ところが、4年時の最大値30tに対し、最低値は 10t に満たない。
収量のバラツキが大きいのは、立地条件の影響。適地であれば収量が大であるが、不適地では小さくなるのが当たり前。その違いが普通の樹種より大きいのが、早成樹ではないのか。
根粒を持つマメ科植物は、やせ地でも良く育つといわれるが、それ以上に窒素分を要求するのがマメ科植物らしい。例え窒素が足りていても、それだけで植物体は作れない。窒素に見合うだけのミネラルと水が必要になるからだ。
生育地の地質をみると、色黒の頁岩・粘板岩を母岩としている地域は成長が良く、色白の砂岩を母岩としている場所の成長は良くないことが分かった。